膝の痛みの症状をチェックする5つポイント
膝の痛みが長引くと、不安な気持ちが強くなります。
早めに原因を知り、適切な対策をすることで、日常生活をスムーズに過ごすきっかけになるでしょう。
この記事の流れ
膝の痛みをチェックする5つの重要症状
ここでは、膝の状態を見極めるために気をつけてほしい5つのポイントを紹介します。
それぞれを確かめることで、痛みの原因や進行度をある程度イメージできるかもしれません。
痛みの性質と強さ
膝が痛むと一口にいっても、ズキズキする痛みや、重だるい感覚などが考えられます。
痛みの出方が「急に強まる」「少しずつ悪化している」「じっとしていても痛む」など、様々なパターンがあるため、できる限り具体的に思い返してみましょう。
夜中にうずくような痛みがあるか、歩き始めが一番つらいのか、といった違いも見逃せません。
痛みが強いタイミングを知っておくと、医師に相談する際にも役立ちます。
腫れと熱感の有無
膝の周囲がパンパンに腫れている感じや、熱をもっているかどうかは大切な観察ポイントです。
急に大きく膨れ上がったような腫れがあるときは、炎症が強い可能性が高まります。
また、痛みは軽くても、触れたときに熱を感じることがあれば、細菌感染など重大な原因が隠れていることも考えられます。
自分では微妙な変化かもしれませんが、少しでも気になるときは温度や状態をこまめにチェックしておくと安心です。
関節可動域の制限
膝を伸ばしきれない、曲げにくいなど、動かしにくさを感じたら要注意です。
階段の上り下りで痛みが強まる場合、膝の曲げ伸ばしが負担になっていることが多いです。
痛みや腫れをかばっているうちに、膝が正しく曲がらなくなることもあるため、少しでも「曲げにくい」「伸ばしにくい」と思ったら、早めに診てもらうことをおすすめします。
いつから可動域が狭くなったのか、特定の動きだけ苦手なのかなど、こまかい点も把握しておくと診察に役立ちます。
不安定性の確認
歩行中に膝がガクッと崩れそうになったり、体重をかけたときにグラついたりする症状は、不安定性が生じている合図です。
半月板や靭帯などの損傷があると、関節をしっかり支えられなくなることがあります。
一瞬だけカクッとなる程度でも、回数を重ねると転倒のリスクが高まるので、「最近よく膝が外れそうになる」と感じるときは無理をしないようにしましょう。
小さな違和感のうちに対応することで、大きなケガを防ぐことにつながります。
日常生活への影響度
いつもの暮らしの中で、膝の痛みのせいで動作が制限されていないかも重要です。
例えば、正座が難しくなった、長く立っていると痛む、買い物や通勤がつらいなど、生活の質に直接影響するケースがあります。
何気ない習慣を思い出し、どの程度支障が出ているかを把握することが、診察や治療方針を考えるうえでも参考になります。
痛みによって休日の外出を控えるようになったなど、普段の行動が変わっていないかをチェックしてください。
膝の症状から分かる3つの疾患傾向
ここでは、上で挙げた症状をもとに考えられる代表的な3つの膝のトラブルについて触れます。
実際にはほかの病気も考えられますが、まずはよくある傾向をイメージしておくと受診時に役立ちます。
変形性膝関節症の特徴
中高年以降によくみられるのが、変形性膝関節症です。
軟骨がすり減り、膝が変形していくため、最初は軽い違和感から始まり、徐々に痛みや腫れ、こわばりが強まる場合が多いです。
動かし始めが痛みやすいという特徴があり、しばらく動くとやわらぐこともありますが、進行すると慢性的に痛むようになることがあります。
無理を続けると症状が悪化しやすいので、早めのケアが求められます。
半月板損傷の可能性
膝の奥が傷む、曲げ伸ばしのときにひっかかりを感じるときは、半月板損傷を疑うことがあります。
激しい運動や、急な方向転換などがきっかけで起こりやすいですが、年齢を重ねると少しずつ負担が蓄積して傷むこともあります。
半月板を痛めると、膝の中で引っかかる感覚が出て、膝を伸ばしづらくなったりロッキングと呼ばれる状態になったりします。
放置していると痛みが増して、歩行もしづらくなることがあるため、思い当たる節があれば専門医に相談してみましょう。
靭帯損傷のサイン
靭帯は、膝関節を安定させる重要な部分です。
サッカーやバスケットなど、膝を大きくひねる動作が多いスポーツでよく傷めるとされますが、転倒などの事故でも起こり得ます。
靭帯を損傷すると、膝がグラつくような感覚があり、痛みだけでなく不安定な状態が続くことがあります。
関節の支えが弱くなることで、二次的にほかの組織へも悪影響が及ぶため、膝が抜けそうな感じが少しでもあるなら、早めに検査を受けるのが望ましいです。
早期受診が必要な3つの危険な症状
急を要する兆候を見逃さないために、ここでは早めに受診してほしい3つの症状を紹介します。
これらがあるときはできるだけ速やかに専門の医師へ相談しましょう。
急激な痛みの出現
突然、膝に強い痛みが走り、そのまま動かせなくなるなど、急な痛みの出方は注意が必要です。
スポーツ中のアクシデントや転倒などで大きな力が加わった際には、靭帯や半月板を大きく損傷している可能性があります。
早期に治療を始めないと、関節内部で炎症が広がる恐れがあり、回復にも時間がかかってしまいます。
我慢して放っておくのは危険なので、強い痛みを覚えたときは迷わず医療機関に行きましょう。
著しい腫れの進行
膝が急に大きく腫れ上がり、次第に痛みが強くなるときは、体内で出血や炎症が進んでいるかもしれません。
捻挫や靭帯損傷などで関節内部に血液がたまることがあり、そのまま放置すると動きにくさだけでなく感染のリスクも高まることがあります。
痛みと腫れがセットで大きく進んだ場合は、自分で冷やして様子を見るだけでなく、早めに専門医に診てもらうことが大切です。
状態がひどくなる前に対処すれば、回復も早くなる可能性が高まります。
歩行困難な状態
動こうとすると膝がロックしたように動かない、または支えられずに転んでしまいそうなときは、深刻なトラブルが隠れているおそれがあります。
痛みの度合いが強い場合はもちろん、関節が外れかけているような不安定感が強い場合も、無理に動かさないほうがいいです。
できるだけ早く整形外科を受診し、必要ならレントゲンやMRIなどの検査で状態を調べてもらいましょう。
自力で歩けないときは、周囲の助けを借りながら移動するなど、転倒を防ぐ行動を心がけてください。
自己チェックの際の3つの注意点
自分なりに膝の痛みを観察するとき、気をつけてほしいポイントがあります。
適切な方法で記録したり、悪化の要因を知ったりすることが、早めの解決に結びつきます。
症状の記録方法
痛みの強さやタイミングを、その都度メモしておくと病院での説明に役立ちます。
起床時に痛みがあるのか、歩行中に増すのか、座っているときはどうなのかなど、少しでも具体的に書き残すのがおすすめです。
痛みの程度を数字や簡単な表現で記録しておけば、医師も症状の推移を把握しやすくなります。
とくに、痛みが変わった日や、腫れが目立った日などは忘れないうちに書き留めておきましょう。
悪化要因の観察
膝を曲げ伸ばしするときに負荷のかかる動作や、長時間の立ち仕事などが痛みを強めることがあります。
階段を上るときだけつらいのか、平地を歩くときでも苦痛なのか、自分の生活パターンと照らし合わせてみましょう。
何気ない姿勢や体重のかけ方が影響する場合もあるため、「どういう動きで痛みが強まるか」を見つけるのは重要です。
そうした情報を医師に伝えると、リハビリや装具の提案など、より的確な対策につながります。
生活への支障度合い
日々の家事や仕事、趣味の時間などで、どれほど痛みが行動を制限しているかにも注目してみてください。
少しの距離でも歩くのがつらい、階段を避けるようになった、立ち上がるときに時間がかかるなど、生活が変わっていないか振り返ってみましょう。
痛みのせいで気分がふさぎがちになっている場合も、心身の負担が大きい状態です。
医師にはこうした状況も伝えることで、治療計画をより適切に立てられます。
まとめ
早めの受診が、痛みの悪化を防ぐ鍵になります。
少しでも不安があるなら、早期にクリニックで相談して、最適な治療をスタートしましょう。