膝痛妊娠中の対処法|体重増加・姿勢変化による膝の痛みと安全なケア方法

変形性膝関節症

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妊娠中に膝の痛みを感じている妊婦さんは少なくありません。「体重が増えて膝が痛くなった」「立ち上がる時に膝に響く」「階段の昇り降りがつらい」といった症状で悩まれている方も多いのではないでしょうか。妊娠中は使える薬や治療法に制限があるため、どのように対処すれば良いか迷われることもあるでしょう。

このページでわかること

  • 妊娠中に膝痛が起こる3つの主な原因
  • 妊娠期特有の膝痛の症状と特徴
  • 妊娠中でも安全にできるセルフケア方法
  • 受診が必要な症状の見極め方
  • 産後の膝痛予防のポイント

妊娠中の膝痛はなぜ起こる?3つの主な原因

体重増加による膝関節への負荷

妊娠中の膝痛の最も大きな原因は、急激な体重増加です。妊娠期間中に7〜12kg程度の体重増加が推奨されており、これは膝関節にとって大きな負担となります。

膝関節は歩行時に体重の約3倍、階段昇降時には体重の約5〜7倍の負荷がかかります。例えば、妊娠前50kgだった方が妊娠後期に60kgになった場合、階段を上る際には膝に約420kgもの力が加わることになります。

この負荷の増加により、膝軟骨や半月板への圧迫が強くなり、痛みや違和感を生じる可能性があります。特に妊娠中期以降、お腹が大きくなるにつれて症状が強くなる傾向があります。

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姿勢の変化と重心移動

お腹が大きくなるにつれて、身体の重心が前方に移動し、姿勢に大きな変化が生じます。この変化により、膝関節の使い方や負荷のかかり方が変わってしまいます。

妊婦さんの多くは、お腹の重さでバランスを取るために腰を反らせ、膝を軽く曲げた姿勢になりがちです。この姿勢では膝の前面にある膝蓋骨(膝のお皿)周辺に持続的な負荷がかかり、痛みの原因となります。

また、歩幅が狭くなったり、階段の昇り降りで膝を深く曲げることが増えたりすることで、膝関節の特定の部分に負担が集中する可能性があります。

ホルモンの影響による関節の変化

妊娠中は「リラキシン」というホルモンが分泌され、出産に備えて骨盤周りの靭帯や関節を緩める働きがあります。このホルモンは膝関節にも影響を与え、関節の安定性が低下する可能性があります。

関節が不安定になることで、普段は使わない筋肉や靭帯に負担がかかり、膝周りの痛みや違和感につながることがあります。また、関節の可動性が変化することで、歩き方や動作パターンが変わり、膝への負荷が増加する場合もあります。

妊娠中の膝痛に見られる症状の特徴

痛みの現れ方と部位

妊娠中の膝痛は、膝の内側や前面(膝蓋骨周辺)に現れることが多く見られます。痛みの強さは個人差がありますが、多くの場合は動作時に痛みを感じ、安静時には軽減する傾向があります。

朝起きた時の膝のこわばりや、長時間同じ姿勢でいた後の「動き始めの痛み」を訴える方も少なくありません。これらは関節への負荷の変化や、血流の変化が影響している可能性があります。

階段の昇り降り、しゃがみ込み動作、椅子からの立ち上がりなど、膝を深く曲げる動作で痛みが強くなることが特徴的です。

妊娠時期による症状の変化

妊娠初期(〜15週)では、体重増加がまだ少ないため、膝痛を感じる方はそれほど多くありません。しかし、つわりによる運動不足で筋力低下が始まることがあります。

妊娠中期(16〜27週)になると、体重増加とお腹の膨らみが本格化し、膝痛を訴える方が増加します。この時期は比較的体調が安定しているため、適切なケアを始める良いタイミングです。

妊娠後期(28週〜)では、体重がピークに達し、姿勢の変化も最大となります。膝痛の症状も最も強くなりやすい時期であり、日常生活動作に支障を感じる方も増えてきます。

他の症状との関連性

膝痛と同時に、腰痛や股関節痛を併発する妊婦さんも多く見られます。これらは相互に関連しており、一つの症状が他の部位の負担を増加させる悪循環を形成することがあります。

また、足のむくみや静脈瘤といった循環系の症状と膝痛が同時に現れることもあります。血流の悪化は関節周辺の筋肉の緊張を高め、膝痛を悪化させる要因となる可能性があります。

妊娠中でも安全にできる膝痛セルフケア

適切な体重管理

膝痛の軽減には、適切な体重管理が最も重要です。急激な体重増加を避け、医師が推奨する範囲内での体重コントロールを心がけることが大切です。

バランスの取れた食事を規則正しく摂取し、塩分の取り過ぎによるむくみを予防することも膝への負担軽減につながります。妊娠中は無理なダイエットは禁物ですが、適正な栄養摂取により健康的な体重増加を目指しましょう。

体重計での日々のチェックと、妊婦健診での医師との相談を通じて、自分に適した体重管理方法を見つけることが重要です。

安全な運動とストレッチ

妊娠中でも医師の許可があれば、適度な運動は膝痛の改善に効果的です。マタニティスイミングやマタニティヨガなど、妊婦さん向けのプログラムがおすすめです。

水中ウォーキングは浮力により膝への負担を大幅に軽減しながら、筋力維持と血流改善が期待できます。プールでの運動は週2〜3回、20〜30分程度から始めると良いでしょう。

自宅でできる簡単なストレッチとしては、椅子に座った状態で足首の回旋運動や、膝の軽い曲げ伸ばし運動があります。無理な負荷をかけず、痛みを感じない範囲で行うことが大切です。

日常生活での工夫と注意点

階段の昇り降りでは手すりを必ず使用し、一段一段確実に足を置いて安全を確保しましょう。急いで階段を使うことは避け、エレベーターやエスカレーターを積極的に利用することをおすすめします。

床に座る生活から椅子を使った生活に切り替えることで、膝への負担を大幅に軽減できます。立ち上がりや座り込みの動作回数を減らすことが、膝痛の改善につながります。

長時間の立ちっぱなしや同じ姿勢を避け、適度に姿勢を変えることも重要です。家事の際も無理をせず、パートナーや家族のサポートを積極的に求めることが大切です。

冷却とマッサージによるケア

膝に痛みや腫れがある場合は、適度な冷却が効果的です。アイスパックを薄いタオルで包み、15〜20分程度膝に当てることで、炎症の軽減が期待できます。

入浴時には温めすぎに注意し、ぬるめのお湯でゆっくりと温まることで血流を改善できます。入浴後は膝周りの軽いマッサージを行い、筋肉の緊張をほぐすことも有効です。

マッサージは強い圧迫を避け、優しく撫でるような動作で行います。痛みが強い場合や腫れがある場合は、マッサージよりも安静と冷却を優先してください。

受診の目安と妊娠中の膝痛治療

すぐに受診すべき症状

膝の強い腫れや熱感がある場合、歩行が困難になるほどの激痛がある場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。これらの症状は単純な負荷による痛みではない可能性があります。

膝の可動域が著しく制限される、膝に力が入らない、膝がガクガクと不安定になるといった症状も、専門的な診断と治療が必要な状態です。

日常生活に大きな支障をきたすレベルの膝痛が1週間以上続く場合も、我慢せずに医師に相談することをおすすめします。

妊娠中に安全な治療選択肢

妊娠中の膝痛治療では、胎児への安全性を最優先に考慮した治療法が選択されます。物理療法や理学療法など、薬剤を使用しない治療が中心となります。

医師の指導のもとで行う運動療法や、専門の理学療法士による膝関節の機能改善プログラムが効果的です。適切な筋力強化と関節可動域の維持により、症状の改善が期待できます。

サポーターや足底板(インソール)などの装具療法も、妊娠中でも安全に使用できる治療選択肢です。これらにより膝関節の安定性を向上させ、負担を軽減することができます。

薬物療法の注意点

妊娠中は多くの鎮痛薬や抗炎症薬の使用に制限があります。市販の湿布薬や塗り薬も、妊娠中は使用を避けるべき成分が含まれている場合があります。

痛みが強い場合でも、自己判断で薬剤を使用せず、必ず産科医師または整形外科医師に相談してください。妊娠期間や症状に応じて、安全な薬剤の処方が可能な場合もあります。

漢方薬についても、妊娠中は使用に注意が必要な種類があります。「天然だから安全」という考えは危険ですので、専門医の指導のもとで使用することが重要です。

産後の膝痛予防と長期的なケア

産後の身体変化への対応

出産後は授乳や育児により、さらなる姿勢の変化が生じます。抱っこや授乳の姿勢により、妊娠中とは異なる膝への負荷がかかることがあります。

体重は出産により一時的に減少しますが、完全に妊娠前の状態に戻るまでには時間がかかります。この期間中も膝への配慮を続けることが重要です。

ホルモンバランスの変化により、関節の状態も変化し続けます。産後数ヶ月間は特に注意深く膝の状態を観察し、適切なケアを継続することが大切です。

育児期の膝痛対策

育児中は床での作業が増えがちですが、可能な限りベビーベッドや椅子を使用して、膝への負担を軽減しましょう。おむつ替えや着替えの際も、立ったまま行えるような環境を整えることが重要です。

抱っこの際は正しい姿勢を意識し、抱っこひもやベビーカーを積極的に活用して、膝への負担を分散させることをおすすめします。

家事と育児の両立で忙しい時期ですが、短時間でも膝のストレッチや軽い運動を継続することで、長期的な膝の健康維持につながります。

専門家との継続的な相談

妊娠中から産後にかけての膝痛は、単発的な問題ではなく継続的なケアが必要な場合が多くあります。定期的な医師との相談により、適切な治療計画を立てることができます。

理学療法士による専門的な運動指導や、管理栄養士による体重管理のアドバイスなど、多角的なサポートを受けることで、より効果的な膝痛対策が可能となります。

症状の変化や新たな問題が生じた場合は、遠慮なく医療機関に相談し、適切な対応を求めることが大切です。早期の対応により、症状の悪化を防ぎ、快適な育児生活を送ることができます。

妊娠中の膝痛は多くの妊婦さんが経験する症状ですが、適切な知識とケアにより症状の軽減は十分に可能です。無理をせず、専門家のサポートを受けながら、安全で効果的な対策を続けていきましょう。

もし現在のセルフケアで十分な改善が得られない場合や、産後も膝の痛みが続いている場合は、専門的な治療選択肢についても検討してみてください。

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