70代膝関節症の原因と症状|手術しない治療法と生活改善のポイント

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「階段の昇り降りが辛い」「立ち上がる時に膝が痛む」「歩くのが億劫になってきた」…70代になってこのような膝の症状でお悩みではありませんか?

70代の方の約7割が何らかの膝の痛みを抱えており、その多くが変形性膝関節症によるものです。年齢とともに避けられない変化とはいえ、適切な対処法を知ることで痛みを和らげ、快適な生活を取り戻すことは十分に可能です。

このページでわかること

  • 70代の膝関節症が起こる原因とメカニズム
  • 年齢特有の症状の特徴と進行パターン
  • 自宅でできる効果的なセルフケア方法
  • 手術以外の治療選択肢と受診のタイミング
  • 日常生活での具体的な工夫と注意点

70代の膝関節症が起こる原因とメカニズム

加齢による関節軟骨の変化

70代の膝関節症の最も大きな原因は、長年の使用による関節軟骨の摩耗と変化です。軟骨は関節の骨同士が直接こすれ合わないよう保護する役割を果たしていますが、70年という歳月の中で徐々にすり減っていきます。

軟骨の水分量は年齢とともに減少し、弾力性が失われていきます。この変化により、歩行時や階段昇降時に膝にかかる負荷を十分に吸収できなくなり、痛みや違和感として現れる可能性があります。

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また、軟骨の摩耗が進むと、骨同士の距離が近くなり、関節の隙間が狭くなります。これがレントゲン検査で確認される「関節裂隙の狭小化」と呼ばれる変化です。

筋力低下と関節への負担増加

70代では筋力の低下も膝関節症の重要な要因となります。特に太ももの前面にある大腿四頭筋の筋力低下は、膝関節の安定性を損ない、軟骨への負担を増加させる主な原因です。

筋力が低下すると、歩行時に膝関節を支える力が不足し、関節内での骨の位置関係が不安定になります。この不安定性が軟骨の局所的な摩耗を促進し、痛みを引き起こす可能性があります。

さらに、運動不足による関節周囲の筋肉の硬化も、関節の可動域制限や痛みの原因となります。特にふくらはぎやハムストリングの硬化は、膝関節の正常な動きを妨げる要因として知られています。

体重増加と関節負荷

70代では基礎代謝の低下により体重が増加しやすく、これが膝関節への負担を大きくする要因となります。体重が1kg増加すると、歩行時に膝にかかる負荷は約3倍、階段昇降時には約7倍増加すると報告されています。

長年にわたる体重負荷の蓄積は、関節軟骨の摩耗を加速させる重要な因子です。特に肥満傾向がある場合は、膝関節症の発症リスクが大幅に上昇する可能性があります。

70代膝関節症の症状と特徴

初期から中期の症状

70代の膝関節症では、朝の起床時や長時間座った後の立ち上がり時に膝のこわばりや痛みを感じることが多いです。これは「スターティングペイン」と呼ばれ、関節液の循環が悪くなることで起こります。

歩き始めは痛みを感じても、しばらく歩いていると痛みが和らぐという特徴があります。しかし、長時間歩いたり階段を多く昇り降りしたりすると、再び痛みが強くなる傾向があります。

また、天候の変化、特に雨の日や湿度の高い日に痛みが増強することも70代の膝関節症の特徴的な症状です。気圧の変化が関節内の圧力に影響を与えることが主な原因と考えられています。

進行期の症状

膝関節症が進行すると、安静時にも痛みを感じるようになります。夜間の痛みで睡眠が妨げられたり、座っている時にも違和感を覚えたりする場合は、症状が進行している可能性があります。

関節の変形が進むと、膝が完全に伸びなくなったり、正座ができなくなったりします。また、歩行時に膝がガクガクと不安定になる「膝崩れ」という症状が現れることもあります。

重度になると、関節内に水が溜まる「関節水症」が起こり、膝の腫れや熱感を伴うことがあります。この段階では日常生活動作に大きな支障をきたす可能性があります。

70代特有の注意点

70代の膝関節症では、転倒リスクの増大が重要な問題となります。膝の痛みによる歩行不安定は、転倒による骨折のリスクを高め、寝たきりの原因となる可能性があります。

また、膝の痛みから運動を控えるようになると、全身の筋力低下や心肺機能の低下を招き、フレイル(虚弱)の進行につながる恐れがあります。痛みがあっても適度な運動を継続することが、健康寿命の延伸には重要です。

70代でもできるセルフケアと生活の工夫

負担の少ない運動療法

70代の膝関節症に最も効果的なのは、関節に負担をかけない運動です。椅子に座った状態での膝の曲げ伸ばし運動は、安全に筋力を維持できる優れた方法です。1日3回、各10回程度から始めて、徐々に回数を増やしていきましょう。

水中ウォーキングも70代の方に推奨される運動です。水の浮力により膝への負担が軽減され、水の抵抗が適度な筋力トレーニング効果をもたらします。週2〜3回、20〜30分程度が目安となります。

自宅でできる運動として、仰向けに寝た状態での太ももの筋力トレーニングがあります。膝下にタオルを敷き、タオルを押しつぶすように太ももに力を入れる運動を、5秒間キープして10回繰り返します。

日常生活での工夫

階段の昇り降りでは、手すりを必ず使用し、昇る時は健康な足から、降りる時は痛む足から出すことで膝への負担を軽減できます。可能であれば、エレベーターやエスカレーターを積極的に利用することをお勧めします。

立ち上がりの際は、椅子の肘掛けやテーブルに手をついてゆっくりと立ち上がります。急激な動作は膝に大きな負担をかけるため、すべての動作をゆっくりと行うことが重要です。

靴選びも重要なポイントです。クッション性の高いウォーキングシューズや、膝への衝撃を和らげるインソールを使用することで、歩行時の負担を軽減できます。ヒールの高い靴は避け、安定した履きやすい靴を選びましょう。

体重管理と栄養

適正体重の維持は70代の膝関節症管理において極めて重要です。無理な食事制限ではなく、バランスの良い食事と適度な運動による健康的な体重管理を心がけましょう。

軟骨の健康維持には、コラーゲンやグルコサミン、コンドロイチンなどの栄養素が注目されています。ただし、サプリメントに頼りすぎず、魚介類、肉類、野菜をバランス良く摂取することが基本です。

カルシウムとビタミンDの摂取も、骨の健康維持には欠かせません。牛乳、チーズ、小魚、緑黄色野菜を積極的に取り入れ、適度な日光浴も心がけましょう。

温熱療法と休息

膝の痛みが強い時は、温湿布や温かいタオルで膝を温めることで血流が改善し、痛みの緩和が期待できます。入浴時にはぬるめのお湯にゆっくりと浸かり、膝周りの筋肉をほぐしましょう。

一方で、膝に腫れや熱感がある場合は炎症が起きている可能性があるため、冷湿布や氷嚢で冷やすことが適切です。症状に応じて温める・冷やすを使い分けることが重要です。

十分な睡眠と適度な休息も、体の回復には不可欠です。痛みで夜間睡眠が妨げられる場合は、寝具の調整や寝姿勢の工夫を行い、質の良い睡眠を確保しましょう。

70代膝関節症の治療選択肢と受診のタイミング

受診を検討すべき症状

日常生活に支障が出る程度の痛みが2週間以上続く場合は、医療機関での診察を受けることをお勧めします。特に歩行距離が著しく短くなった、階段の昇り降りが困難になった場合は早期の受診が必要です。

膝の腫れや熱感、関節の可動域制限が進行している場合も、専門医による評価が重要です。また、痛み止めを常用しても効果が感じられない場合は、治療方針の見直しが必要な可能性があります。

夜間痛により睡眠が妨げられる、安静時にも痛みがある場合は、関節症が進行している兆候として捉え、積極的な治療を検討すべき時期といえます。

保存療法の選択肢

70代の膝関節症治療では、まず手術以外の保存療法が検討されます。理学療法士による専門的な運動指導は、自己流の運動では得られない効果的な筋力強化と関節可動域の改善をもたらします。

ヒアルロン酸注射は、関節内の潤滑性を改善し、痛みの軽減効果が期待できる治療法です。週1回、5回程度の注射で効果が現れることが多く、70代の方にも比較的負担の少ない治療選択肢です。

装具療法として、膝サポーターや足底板の使用も効果的です。特に外側型変形性膝関節症に対する外側楔状足底板は、膝内側への負担を軽減する効果があります。

手術以外の先進的治療

近年注目されている治療法として、PRP療法(多血小板血漿療法)があります。患者様自身の血液から血小板を濃縮した血漿を関節内に注射することで、組織の自然治癒力を高める治療法です。

幹細胞治療も膝関節症の新しい治療選択肢として研究が進められています。患者様自身の脂肪組織から採取した幹細胞を用いることで、軟骨の再生を促進する可能性があります。

これらの先進的治療は、手術のリスクを避けながら根本的な改善を目指せる治療法として、70代の方にとって有望な選択肢となっています。

手術療法について

保存療法で効果が得られない場合、手術療法が検討されます。70代でも全身状態が良好であれば、人工膝関節置換術は有効な治療選択肢です。現在の人工関節は耐久性が向上し、15〜20年以上の機能維持が期待できます。

関節鏡手術は、関節内の損傷した軟骨や半月板の処理を行う低侵襲な手術です。入院期間が短く、70代の方にも負担が少ない手術として選択されることがあります。

ただし、70代での手術は全身麻酔のリスクや術後の回復期間を十分に考慮する必要があります。主治医との詳細な相談により、個々の患者様に最適な治療方針を決定することが重要です。

膝の痛みは年齢のせいとあきらめず、適切な治療により生活の質を向上させることが可能です。症状の程度や生活への影響を総合的に判断し、最適な治療法を選択することで、70代でも活動的な生活を送ることができます。

セルフケアを継続しても症状の改善が見られない場合は、専門医による詳しい検査と治療方針の検討をお勧めします。一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせた治療計画により、より快適な日常生活を取り戻すことができるでしょう。

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