高位脛骨骨切り術とは?O脚による膝の痛みに対する手術治療の効果と適応

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膝の内側が痛い、O脚が気になる、歩くのがつらい…。このような症状で悩んでいる方の中には、「高位脛骨骨切り術」という治療法について医師から説明を受けた方もいるのではないでしょうか。手術と聞くと不安になりますが、この治療法は膝関節を残したまま痛みの改善を目指せる選択肢の一つです。

このページでわかること

  • 高位脛骨骨切り術がどのような手術なのか
  • O脚と膝の痛みの関係
  • 手術の適応となる症状や条件
  • 手術以外の治療選択肢
  • 日常生活でできるO脚対策

高位脛骨骨切り術とは?基本的な仕組みを理解する

O脚による膝への負荷集中が問題の根本

高位脛骨骨切り術(こういけいこつこつきりじゅつ)は、O脚によって膝の内側に集中している負荷を軽減するための手術です。正常な膝では体重が膝関節全体に均等にかかりますが、O脚の場合は内側ばかりに負荷が集中します。

この負荷の偏りが続くことで、膝の内側の軟骨がすり減り、変形性膝関節症が進行します。痛みや腫れ、歩行困難などの症状が現れる主な原因となっています。

脛骨を切って角度を調整する手術方法

高位脛骨骨切り術では、膝下の骨である脛骨(けいこつ)の上部を切り、O脚を矯正します。骨を楔形(くさびがた)に切り取ったり、骨を開いて人工骨を入れたりして、膝の角度を調整します。

この手術により、体重のかかる方向が膝の内側から外側に分散され、内側の軟骨への負担が軽減されます。結果として痛みの改善や、関節の変形進行を遅らせる効果が期待できます。

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人工膝関節置換術との違い

高位脛骨骨切り術の大きな特徴は、自分の膝関節を温存できることです。人工膝関節置換術では関節自体を人工物に置き換えますが、この手術では自分の関節を残したまま治療を行います。

そのため、手術後も膝の曲げ伸ばしの感覚が自然で、スポーツ復帰も期待できる可能性があります。ただし、適応となる条件や年齢には制限があります。

高位脛骨骨切り術の適応となる症状と条件

手術適応となる主な症状

高位脛骨骨切り術の適応となるのは、主にO脚を伴う変形性膝関節症です。膝の内側の痛みが強く、歩行時や階段昇降時に症状が悪化する場合が該当します。

レントゲン検査で膝の内側の関節裂隙(関節の隙間)が狭くなっているものの、外側の軟骨は比較的保たれている状態が理想的です。完全に軟骨が消失してしまった場合は、適応が困難になる可能性があります。

年齢や活動レベルの考慮事項

一般的に、60歳以下で活動性の高い方が良い適応とされています。骨の癒合(くっつくこと)や術後のリハビリテーションを考慮すると、比較的若い年代での施行が推奨されます。

ただし、個人の骨質や全身状態、生活スタイルによって適応は変わります。高齢でも骨質が良好で、積極的にリハビリに取り組める方であれば手術可能な場合もあります。

手術前に確認すべき条件

手術前には、膝の可動域(曲げ伸ばしの角度)が十分に保たれていることが重要です。関節の拘縮が強い場合は、手術後の回復が困難になる可能性があります。

また、感染症や血管の病気、骨粗鬆症の程度なども総合的に評価されます。喫煙習慣がある場合は、骨の癒合を妨げる要因となるため、禁煙が求められることが多いです。

手術の効果と期待できる改善点

痛みの軽減効果

高位脛骨骨切り術の最も期待される効果は、膝の内側の痛みの軽減です。負荷の分散により、歩行時や日常動作での痛みが改善する可能性があります。

多くの患者さんで、手術前と比較して痛みの程度が軽減され、鎮痛薬の使用頻度も減少します。ただし、完全に痛みがなくなるわけではなく、個人差があることを理解しておく必要があります。

歩行能力と日常生活の改善

痛みの軽減に伴い、歩行距離の延長や階段昇降の改善が期待できます。手術前は短距離しか歩けなかった方が、長時間の外出が可能になるケースもあります。

正座や深くしゃがむ動作の改善も報告されており、日本人の生活様式に適した効果が得られる可能性があります。ガーデニングや掃除などの家事動作も楽になることが多いです。

関節変形の進行抑制

O脚の矯正により、膝関節の内側への負荷集中が軽減され、変形性膝関節症の進行を遅らせる効果が期待できます。これにより、将来的な人工膝関節置換術の時期を遅らせることができる可能性があります。

ただし、すでに進行した変形を完全に元に戻すことはできません。手術の目的は現状の改善と進行の抑制であることを理解しておくことが大切です。

手術のリスクと注意点

手術に伴う一般的なリスク

高位脛骨骨切り術には、手術に伴う一般的なリスクがあります。感染症、血栓症、神経や血管の損傷などが報告されています。

また、骨の癒合不全(骨がうまくくっつかない)や癒合の遅延が起こる可能性があります。この場合、追加の手術が必要になることもあります。

術後の回復期間と制限

手術後は約2-3ヶ月間、骨が完全にくっつくまで体重をかけることが制限されます。松葉杖での生活が必要となり、日常生活に大きな影響を与えます。

完全な回復には6ヶ月から1年程度を要することが多く、この期間中は定期的なリハビリテーションが必要です。職業によっては長期間の休業が必要になる場合もあります。

長期的な経過での注意点

手術により症状は改善しますが、加齢に伴う関節の変化は続きます。10-15年後に症状が再発し、最終的に人工膝関節置換術が必要になる場合もあります。

また、矯正しすぎた場合は膝の外側に負担がかかり、新たな問題が生じる可能性もあります。術後の定期的なフォローアップが重要です。

手術以外の治療選択肢

保存的治療の重要性

高位脛骨骨切り術を検討する前に、まず保存的治療を十分に試すことが重要です。薬物療法、理学療法、装具療法などを組み合わせた治療で改善する可能性があります。

ヒアルロン酸注射やPRP(多血小板血漿)注射などの関節内注射も選択肢の一つです。これらの治療は侵襲が少なく、繰り返し施行することも可能です。

再生医療という新しい選択肢

近年注目されているのが、幹細胞を用いた再生医療です。自分の細胞を使って軟骨や周囲組織の修復を促す治療法で、手術に比べて体への負担が軽いという特徴があります。

まだ研究段階の面もありますが、手術を避けたい方にとって有力な選択肢となる可能性があります。専門的な施設での相談が必要です。

生活習慣の見直し

体重管理は膝への負担を軽減する最も基本的で重要な対策です。体重が1kg減ると、歩行時の膝への負担は約3kg軽減されると言われています。

適度な運動も欠かせません。水中ウォーキングやサイクリングなど、膝への負担が少ない運動を継続することで、筋力維持と症状改善が期待できます。

O脚対策のセルフケアと生活の工夫

筋力トレーニングの重要性

大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)の強化は、膝の安定性を高め、関節への負担を軽減します。椅子に座った状態で膝を伸ばす運動や、壁に背中をつけてのスクワットが効果的です。

内転筋(太ももの内側の筋肉)の強化も重要です。仰向けに寝て、膝の間にクッションを挟んで押し合う運動を続けると、O脚の改善に役立つ可能性があります。

歩き方と姿勢の改善

O脚の方は足の外側に重心をかけて歩く傾向があります。意識的に足の親指側に重心をかけて歩くことで、膝への負担を軽減できます。

正しい姿勢を保つことも大切です。背筋を伸ばし、膝を正面に向けて歩くことを心がけましょう。鏡で自分の歩き方をチェックすることも有効です。

靴選びと足部のケア

適切な靴選びはO脚対策の基本です。クッション性があり、足にフィットする靴を選ぶことで、膝への衝撃を軽減できます。

足底板(インソール)の使用も検討価値があります。O脚の方向けに設計されたインソールは、足の荷重バランスを改善し、膝への負担を軽減する効果が期待できます。

日常動作での注意点

階段の昇降時は手すりを使い、膝への負担を軽減しましょう。特に降りる時は膝に大きな負荷がかかるため、ゆっくりと慎重に行うことが大切です。

長時間の立ち仕事や歩行は避け、適度な休息を取るよう心がけましょう。椅子から立ち上がる際も、手をついてゆっくりと立ち上がることで膝への負担を軽減できます。

医療機関での相談と治療選択のポイント

専門医への相談のタイミング

膝の痛みが3ヶ月以上続く、日常生活に支障が出ている、市販の鎮痛薬が効かなくなったなどの症状がある場合は、専門医への相談を検討しましょう。

整形外科、特に膝関節を専門とする医師に相談することで、適切な診断と治療方針を得られます。セカンドオピニオンを求めることも重要な選択肢です。

検査と診断のプロセス

初診では詳しい問診と身体診察が行われます。痛みの部位、程度、日常生活への影響などを正確に伝えることが重要です。

レントゲン検査、MRI検査、場合によってはCT検査も行われます。これらの検査により、関節の変形の程度、軟骨の状態、半月板の損傷などが評価されます。

治療方針の決定における患者の役割

治療方針の決定は、医師と患者の共同作業です。手術のメリット・デメリット、保存的治療の可能性、患者の価値観や生活スタイルなどを総合的に考慮して決定されます。

不明な点や不安な点は遠慮なく質問し、十分に納得した上で治療方針を決定することが大切です。急いで決める必要はありません。

まとめ:自分に最適な治療選択を見つけるために

高位脛骨骨切り術は、O脚による膝の痛みに対する有効な治療選択肢の一つです。自分の膝関節を温存しながら症状の改善を図れる点で優れていますが、手術に伴うリスクや回復期間も考慮する必要があります。

まずは保存的治療を十分に試し、生活習慣の改善やセルフケアに取り組むことが重要です。それでも改善が得られない場合に、専門医と相談しながら手術を含めた治療選択肢を検討しましょう。

どのような治療を選択するにしても、自分の症状や生活スタイルに最も適した方法を見つけることが大切です。複数の医師の意見を聞き、十分に情報収集を行った上で、納得のいく治療選択を行いましょう。

膝の痛みは生活の質を大きく左下右しますが、適切な治療により改善の可能性があります。専門医と連携しながら、最適な治療方針を見つけていくことが重要です。

このブログで紹介したセルフケアは、多くの方にとって有効な方法ですが、「半年以上続けても改善しない」「日常生活に支障が出ている」場合、関節自体のダメージが進んでいる可能性があります。そのような方に対して、当院では「手術前の選択肢」としてBME再生療法をご提案しています。

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