腰と膝の痛みが同時に起こる5つの原因
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腰の痛みと膝の痛みが同時に起こると、日常生活で思い通りに身体を動かせず、つい憂うつになりがちです。
ただ、どういった原因が重なっているかを知ることで、症状を軽くできる可能性は十分にあります。
この記事の流れ
腰と膝の痛みが同時に起こる5つの原因
腰と膝の両方が痛む場合、単独のトラブルよりも複雑な要因が絡んでいることが少なくありません。
ここでは姿勢の崩れや加齢による変化、そして筋力や神経、体重面の負担などに着目し、それぞれの仕組みを見ていきます。
原因を正しく把握しないまま対処を続けると、なかなか痛みが改善しないケースも多いので、まずはどれに当てはまるのかを把握することが大切です。
一つの理由で生じるとは限らず、複数が複雑に絡み合う場合もあるので、専門機関の診察を受けることが早期解決の近道となるでしょう。
姿勢バランスの崩れ
長時間同じ姿勢でいることや、スマートフォンを見続けるなどして背中が丸まった状態が定着すると、腰椎や骨盤まわりの骨格に歪みが生じやすくなります。
身体の重心がうまく保てなくなると、歩くときに膝へ余計な負担がかかるケースが多いです。 本来、腰と膝は連動して身体を支えているため、腰が丸まってしまうと膝が前方へ突き出すようなバランスになりがちです。 その結果、膝の関節面に圧力がかかり痛みが増すことがあります。
姿勢バランスの崩れは日常の些細な動作によって少しずつ進行するため、本人が気づきにくい点も問題です。
たとえば椅子に座るときに猫背になる、片方の足に重心を傾けて立つなどの習慣が積み重なり、やがて腰や膝に負担をかけていることが多いでしょう。 軽度であれば姿勢改善のトレーニングや骨盤調整などで症状が和らぐ可能性がありますが、痛みが激しいときは専門家の指導を受けるのが理想です。
加齢による関節変性
年齢が上がるにつれ、腰椎や膝関節の軟骨がすり減ったり、クッション機能が低下したりすることがあります。
とくに膝関節は体重の支え役として最前線で働く部位ですが、腰椎の椎間板も日々の動作で負担を受けやすい部分です。 軟骨が変性して弾力が失われると、動かすたびに違和感や痛みを感じるようになり、腰と膝が同時に痛む状況へと進むことがあります。
加齢による変性は誰にでも訪れる自然なプロセスともいえますが、早めにケアを始めるかどうかで症状の出方や進行度が大きく変わるのも事実です。
例えば、適度な筋力を保つための運動や、栄養バランスの良い食事を意識するだけでも、変性のスピードをゆるやかにする効果が期待できます。 痛みが続くようなら、病院で状態を検査しておくことが大切です。 早期発見ができれば、治療やリハビリの選択肢も多様になります。
筋力低下の影響
筋肉は、身体を動かすだけでなく、骨や関節を安定させる働きも担っています。 腰の支持力を担う筋肉や、膝をしっかりと支える太もも周りの筋肉(特に大腿四頭筋やハムストリングス)が弱くなると、ちょっとした動きでも腰と膝に大きな負担がかかってしまうのです。
すこし歩いただけで膝がガクッとしたり、長時間の座り姿勢で腰が痛む場合、筋力不足が影響しているかもしれません。
年齢を重ねるほど筋力は自然に落ちやすいですが、運動不足や生活習慣の乱れが重なると、なおさら進行が早まります。
筋力が足りなくなると姿勢も保ちにくくなり、前述した姿勢バランスの崩れとも相まって痛みが悪化しやすくなります。 軽いウォーキングや筋トレ、さらには水中運動なども腰や膝に優しく筋肉をつけるのに向いています。
ただし、すでに強い痛みがある方は、医師や理学療法士と相談してからメニューを決めたほうが安全です。
神経の圧迫症状
腰と膝の両方に強い痛みや痺れがある場合、腰椎から伸びる神経が圧迫を受けて症状を起こしている可能性があります。
代表例としては、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが挙げられ、神経が圧迫されると下肢に痛みやしびれが広がり、膝付近や太もものあたりに違和感を感じることもあります。 歩行が長く続けられない、休憩をしないと脚が重くなるなどの特徴があるなら、神経系のトラブルを疑うべきでしょう。
神経の圧迫が疑われる場合、整形外科でMRIなどの検査を行い、原因となっている箇所を突き止める必要があります。
放置していると神経のダメージが進み、痛みが慢性化するリスクが高まるため、早めの受診が望まれます。 サポーターやコルセット、あるいはリハビリなどのアプローチで症状を軽くできるケースもあります。 症状が長引いている場合は、単に関節の問題だけと決めつけずに神経のチェックも視野に入れましょう。
体重負荷の増加
体重が増えると腰椎や膝関節の負担は当然のように高まります。 特に歩いたり階段を上り下りするときは、体重以上の衝撃が膝にかかるともいわれているため、体重増加は腰と膝の痛みを悪化させやすい要因の一つといえます。
さらに肥満傾向にあると姿勢のバランスが崩れがちで、腰まわりに余計な重みがかかって猫背や反り腰の原因となり、結果的に負のスパイラルに陥りやすくなるのです。
体重を落とすことによって膝への荷重が軽くなると、痛みが和らぐ方は多いです。 ただし、急激なダイエットはリバウンドを招きやすく、筋肉量の低下を招く恐れもあります。 そのため、無理のないペースで、適切な運動と食習慣の改善をセットにすることが重要です。
もし糖尿病などの持病を持っているなら、専門家と相談しながら取り組むと安全で効果的です。
腰と膝の痛みに現れる3つの症状
腰と膝が痛むケースでは、日常生活の中で感じる異変がいくつか重なることが多いです。 ここでは代表的な三つの症状、つまり歩くときの違和感、立ち座りの難しさ、そして日々の動作に支障をきたす状態について触れます。
こうしたサインを見逃さず、早めに対処するかどうかが回復のスピードを左右するかもしれません。
歩行時の違和感
腰と膝の両方が痛いとき、まず最初に気づくのが「歩くときに何かぎこちない」という感覚かもしれません。
腰が突っ張って前にかがみにくい、あるいは膝に力を込めづらいなど、スムーズな歩行が難しくなります。 それをかばおうとして姿勢が崩れたり、脚の筋肉を変に使ったりするため、症状がどんどん広がる悪循環に陥ることもあります。
さらに、歩き始めに痛みが強い方は、関節の潤滑がうまくいっていない可能性があります。 軟骨の摩耗や炎症がある場合は、最初の数歩が非常につらいことがありますが、慣れてくると少し楽になる人もいます。
ただ、時間が経つとまた痛みがぶり返すことも多く、根本的な原因を解決しない限りは繰り返し症状が出ることが多いです。
立ち座りの困難
椅子やベッドから立ち上がる動作や、逆に腰掛ける動作で痛みが走る場合、腰と膝の両方のサポート力が不十分になっていることを示唆します。
立ち上がるときは、腰の伸展動作と膝の伸ばし動作が同時に行われるため、どちらか一方がスムーズに動かなければ全体の動作がぎこちなくなるのです。
痛みを避けようとして上半身の力ばかり使い、余計に腰や肩までも痛めるケースもあります。
痛みが続くと立ち座りが億劫になり、動く機会が減ってしまいがちです。 すると筋力はさらに落ちて、ますます立ち座りが困難になるという悪循環が待ち受けています。
日常生活の基本的な動作である立ち座りがつらい状態になっている方は、自己流の対処だけで乗り切ろうとせず、医師の診察を受けるなどして対策を講じたほうが良いでしょう。
日常動作の制限
腰と膝が同時に痛むと、歩行や立ち上がりだけでなく、物を持ち上げる、階段を上る、床に座るなど、さまざまな動作が辛くなります。
たとえば家事で重い洗濯カゴを持ち上げるのが怖くなる、掃除機をかけるときに中腰になれず腰が張るなど、痛みを伴う場面が増えるのです。 仕事や趣味にも影響が出てくると、生活の質が下がり、ストレスもたまりやすくなるでしょう。
こうした日常動作の制限が長く続くほど、外出を控えがちになり、さらに体力や筋力の低下を招いてしまいます。
気分的にも落ち込みがちになり、痛みが長引く一因となることも少なくありません。 どの動作で痛みが強く出るのかを自分なりにチェックしておくと、医師の診断を受ける際に具体的な情報を伝えられ、適切な治療やリハビリ計画を立てやすくなります。
痛みの予防に重要な3つのポイント
腰と膝の痛みを予防するうえで大切なのは、身体の使い方や日々の習慣を見直すことです。
ここでは正しい姿勢を保つこと、運動習慣を整えること、そして定期的にメンテナンスを行うことの3つを挙げます。
これらを意識的に続けるだけでも、痛みのリスクを減らせる可能性があります。
正しい姿勢の維持
立ち姿勢でも座り姿勢でも、背筋を伸ばして骨盤をなるべく起こすようにすると、腰への負担が軽くなりやすいです。 一方、猫背や反り腰は腰椎に過度な負担を与え、その影響が膝にも及ぶリスクが高いです。
姿勢を維持するためには、腹筋や背筋といった体幹周りの筋力も必要ですが、日常的に意識して少しずつ改善していくことが大切です。 もし姿勢のチェックが難しいと感じる方は、ヨガやピラティス、整体などを利用してプロのアドバイスを受けるのも一案でしょう。
また、スマートフォンを見るときに下を向きすぎると、首から背中、腰へと無理な力がかかりやすいので要注意です。
デスクワークでは、椅子や机の高さを調整して、無理なく背筋を伸ばせる姿勢に整える工夫をしてみましょう。 姿勢を改善するだけで、腰と膝の負担が驚くほど変わるケースもあるため、こまめな見直しが重要です。
バランスの良い運動習慣
運動不足は筋力低下と姿勢不良の原因になり、腰と膝に負荷がかかりやすくなります。 一方、過度な運動もケガや関節へのダメージを招きかねないので、負担の少ない方法を選ぶことが望ましいです。
ウォーキングや軽い筋トレ、あるいはプールでのアクアウォークなどは、膝や腰を比較的守りながら筋力を維持・強化する手段として人気があります。
毎日同じ運動を続けるより、ストレッチを挟んだり、筋トレと有酸素運動を組み合わせたりして、バランスよく全身を動かすことが大事です。
身体を動かす頻度が増えると血行も良くなり、関節まわりへの栄養補給や老廃物の排出がスムーズになるでしょう。 すでに痛みがある方は、自己判断で無理な運動をしないようにして、医師や理学療法士に相談しながらメニューを決めるのが安心です。
定期的なメンテナンス
痛みがない段階でも、定期的に身体をメンテナンスしておくことは重要です。 例えば整形外科を受診して、腰や膝の状態を把握するのも予防策のひとつですし、整体やマッサージで筋肉をほぐすのも有効です。
また、食事面でたんぱく質やカルシウム、ビタミンなどを偏りなく摂ることも関節や骨の健康を保つうえで欠かせません。
さらに、体重管理も立派なメンテナンスの一部です。 体重が増えすぎると関節の負担が大きくなるので、日々の食生活と運動をバランス良く行い、適正体重を維持するよう意識すると良いでしょう。
もし腰と膝に痛みの前兆を感じたら、できるだけ早く対策を始めることが、将来の大きなトラブルを防ぐポイントになります。
まとめ
腰と膝が同時に痛む場合、単純な一つの原因だけではないことが多く、姿勢や筋力、神経、体重など、複数の要素が複雑に絡むケースが目立ちます。
症状が気になる方は、なるべく早めにクリニックを受診して、適切な治療や予約を検討してみてください。